予防歯科とは、虫歯になってから治療するのではなく「痛くなる前に予防する」という考え方です。そのためには、歯科医院でのプロフェッショナルケアと、自宅で行うセルフケアが大切です。
セルフケアだけでは、歯垢や歯石を完全に取り除くことができません。歯科医院で、定期的にPMTCや口腔内診査などの検診を受けていただき、虫歯や歯周病にならない健康な歯を維持していきましょう。
予防歯科・歯周病
Preventive dentistry
予防歯科
予防歯科で大切なこと
- 1.フッ素を口内に残す
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自宅でできるセルフケア
- フッ素配合歯磨き剤を使う
- すすぎ過ぎない
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プロフェッショナルケア
- フッ素塗布…高濃度のフッ素を塗布して虫歯を予防します。
- 2.歯垢を残さず落とす
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自宅でできるセルフケア
- 歯ブラシで歯の一本一本を丁寧に磨く
- デンタルフロス、歯間ブラシを使って隙間の歯垢を取り除く
歯ブラシと歯間ブラシを併用することで、歯垢除去率が歯ブラシのみに加えて20%向上するデータが出ています。
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プロフェッショナルケア
- スケーリング…スケーラーという歯科専用の器具で歯石を取り除きます。
- PMTC…セルフケアでは落としきれていない歯垢を専用機器で落とします。
- 歯みがき指導…歯みがきに自信がある人でも、意外に磨けていないことが多いです。ひとりひとりのお口に合った歯みがきの仕方をお教えします。
- 3.細菌を増やさない
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自宅でできるセルフケア
- デンタルリンスなどの殺菌剤で口内の隅々まで洗浄する
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プロフェッショナルケア
- 口腔内診査…歯や歯ぐきの状態をチェックします。口内細菌の数も調べます。
- シーラント…歯垢が残りやすい歯の隙間などを、あらかじめ樹脂などでふさいで虫歯を予防します。
Periodontal disease
歯周病
歯周病は、大切な歯を奪ってしまうだけでなく、全身疾患とも深い関わりがあることがわかっております。主に糖尿病や循環器の病気、骨粗しょう症、リウマチ、誤嚥性肺炎と歯周病は関係しています。
歯周病菌が肺や血液を通じて全身をめぐり、さまざまなトラブルを引き起こすことがあるのです。病気の原因を探していたら、なんとそれが歯周病だった……というケースも少なくありません。歯周病を甘く見ず、予防とともに早期治療に努めましょう。
膿が出るなどの自覚症状が出る頃には歯周病はかなり進行しております。
ただ歯周病初期はなかなか自分では気づきにくいものですが、この段階で治療を始めれば歯を失うことがなく早く良くなります。
歯周病は「サイレント、ディジーズ(静かに進行する病気)」と言われ、気づかないうちに歯肉の内側の歯を支える骨などがジワジワ破壊される病気なのです。
歯周病の症状
以下の症状にあてはまる方は、歯周病の可能性があります。お早めにご相談ください。
- 朝起きた時に、口の中がネバネバする
- 歯を磨いた時に血が出る
- 口臭が気になる
- 歯と歯の間に食べ物が詰まりやすい
- 硬いものを噛むと痛む
- 以前に比べて歯が長くなったような気がする
- 歯がグラグラする
- 歯が浮いているような気がする
- 歯茎が赤く腫れたり、膿が出る
歯周病の進行
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軽度
歯周病が歯肉溝に入ると炎症が起きます。歯周病菌は嫌気性菌で心地よい住環境を求め、空気が届きにくい歯と歯肉の間の歯肉溝を好みます。
痛みはまだありませんが、ブラッシング時に出血することがあります。
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中等度
炎症が深まり、歯肉の色はピンク・赤紫が混在した状態になり、また歯肉は本来歯を覆っていた位置から下がるので歯が長くなったように見えます。この状態は、歯周病菌が顎の骨にまで達しています。歯周ポケットが深くなり、歯はグラグラしはじめます。
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重度
顎の骨が半分以上溶けています。
歯周ポケットがかなり深くなり、歯はグラグラになり、歯ぐきからは膿が出て口臭も増します。ここまでくると、最終的に歯は抜け落ちてしまいます。
歯周病の原因
歯の表面に絶えることなく形成される細菌性の膜をプラーク(歯垢)と呼びます。このプラーク(歯垢)が歯周病の原因です。
プラーク(歯垢)は歯の表面ででき、プラークからの毒素が歯ぐきにしみ込んでいきます。
こうして歯の磨き残し等で歯茎のまわりに残った大量のプラークが炎症を引き起こすのです。
プラークは本来歯と同じ色なので見つけるのが困難です。
ネバネバですが軟らかく歯磨きで取り除くことができます。取り除かないと、石灰化して硬くなっていき、歯石がつくられます。歯石にはプラークが付きやすく、新しく軟らかいプラークがざらざらした歯石の上に急速に形成され、これが炎症を引き起こし進行していきます。
歯周病の治療
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1.掃除指導
現状のブラッシングでどこが磨けていないのかをよく理解した上で、正しいブラッシング方法を学んでいきます。
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2.スケーリング(歯石除去)
歯石は歯面に付着したプラークに唾液中のリン、カルシウムが混じって石灰化したものです。歯に付着しておりそれ自体の病原性はありませんが、表面がでこぼこしていて、歯垢が付きやすいため、一般的に超音波スケーラーやキュレットスケーラーを使用して取り除きます。
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3.フラップオペレーション
歯槽骨の破壊が大きく、歯周ポケットが深い場合には、ポケットの外から器具で歯垢や歯石を取り除くことは不可能です。このような場合には、歯肉を開いて歯根を露出させ歯垢や歯石を取り除きます。
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4.メンテナンス
治療が終わった後に継続して、良い状態を維持することをいいます。そのためには、歯科医師のチェックと歯科衛生士による専門的なお口の清掃(クリーニング)を定期的に行います。
最低でも半年に1回は定期的にチェックを受けましょう。進行した歯周病の治療が終わった方は、1~3ヵ月のサイクルで来院し安定した歯茎の状態を管理していくことが大切です。